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安心R住宅連載コラム 第三回

2023/08/22

安心R住宅連載コラム 第三回

#住まい #メンテナンス

寄稿者

中山 登志朗

株式会社LIFULL
LIFULL HOME'S総合研究所
副所長 チーフアナリスト

LIFULL HOME’S総研、兼安心R住宅認定団体「安心ストック住宅推進協議会」理事の中山です。これまで、安心R住宅とはどのようなもので、一般的な中古住宅と何が違うのかについて解説しましたが、今回は安心R住宅の資産性についてお話ししたいと思います。

住宅は家族と安心して楽しく暮らすための器であり、そして何より大切な資産でもあります。安心R住宅の資産性を知ることによって、経済的な側面からも安心R住宅が魅力的なものであることをご認識ください。

安心R住宅は資産価値が高い!?

繰り返しになりますが、安心R住宅は一般に既存住宅の「古い・汚い・性能面が不安」と言われるマイナスイメージを払拭するための手段として国が制度化したものですから、資産性云々よりも、先ずは安心して住み続けられるだけの基本的性能が維持された住宅であることをアピールするものです。もちろんそのためのインスペクションであり、瑕疵保険であり、リフォームプランの用意なのですが、こういった住宅の基本性能が一定の水準を維持していることは、住宅の魅力や資産性も高めてくれるのです。

住宅の資産価値の高さを計るためのチェックポイントは、
① 交通利便性
② 生活利便性
③ (住宅性能を含む)居住快適性
④ 築後経過年数
⑤ 安全性
⑥ 周辺環境
⑦ 付加価値など、多岐に渡ります。

つまり住宅に居住する上での安心感は前提としてあって然るべきもので、それだけでは資産価値とダイレクトに結びつく要素とは言えないわけです。では、上記に掲げた資産性に関わるいくつかの要素について、安心R住宅がどの程度満たしているのかを確認してみることにしましょう。


安心R住宅の資産性をポイントごとにチェック

① の交通利便性と②の生活利便性は、立地条件です。
一般に駅に近くて通勤・通学しやすいとか、買物しやすくて近隣で何でも揃うとか、何かと便利(なエリア)であることは資産性にも好ましい影響を与えますが、これらの条件は全ての住宅形態にあてはまるものですから、特に安心R住宅に有意性があるものではありませんが、③の居住快適性は、安心R住宅においては大きなアピールポイントです。住宅の基本性能が維持・改善されていて、さらにバリアフリーであるとか、通風・日照が良好であるとか、断熱性能が高くて冬暖かく夏涼しいといった、日常の生活を快適にしてくれる住宅の個別条件は誰にとっても好ましいものですから、資産性にも大いにプラスに作用します。

④の築後経過年数も安心R住宅であるか否かに関わらず、古い物件になればなるほど減価償却が進んで資産価値は下がります。ただし、安心R住宅として売却するために事前にリフォーム&リノベーションすることや、リフォーム済みの安心R住宅を購入することは、築年数が進んでいても建物自体の機能性が維持・向上されているので、これは資産性にも影響します。

⑤の安全性には2つあって、1つは住宅が建っているエリアの地形や地盤などエリアの安全性、もう1つは住宅自体の安全性能です。もちろん両方とも良好であれば理想ですが、安心R住宅は基本性能が一定以上の水準に維持されていますから、加えて耐震補強や防蟻対策などをしておけば安全性についてもアドバンテージが持てます。

⑥の周辺環境は当然のことながら安心R住宅に固有の条件ではありませんが、⑦の付加価値については売却&購入時に様々なリフォームが施されることで、窓の断熱性や水回りの機能性だけでなく、長く快適に住み続けるための“装置”が追加され、付加価値も高まります。

安心R住宅は名前の通り中古住宅の安心感を高めるための制度ですが、このようにポイントごとにチェックしてみると、居住快適性の高さだけでなく、築年数をカバーし安全性を高めるリフォームによって付加価値も高まっていることに気付かされます。これは安心R住宅ならではのアドバンテージと言えますから、相応に将来の資産価値にもプラスです。

特に安心R住宅は、単にリフォーム済みの中古住宅、というだけではなく、有資格者である第三者が建物を検査して評価していますから、客観的にその安心・安全が保障されており、その客観性も資産価値を担保するものと言えるでしょう。例えば、耐震性能は現行の基準に適合していなければいけませんし、柱や壁、屋根、開口部、外壁など住宅の主要部分も品質の基準が定められており、専門家のインスペクション(建物検査)によって問題がないことが証明されているといった点は、購入者にとっても今後の生活に安心感を与えるだけでなく、資産としても一定以上の好ましい影響があるのです。

さらに、安心R住宅の基準に適合していることは、購入時に瑕疵保険(売却後に発生したトラブルについて保険金が下りる仕組み)に加入可能ですから是非加入されることをお勧めします。少ない掛け金で大きな保証が得られるのは安心R住宅の大きなメリットの1つです。また、住宅ローン減税の対象にもなりますから、安心R住宅は経済的メリットが大変大きいと言えます。

ただし、安心R住宅だからといって文字通り安心しているだけではいけません。購入後には定期的に建物の点検を実施し、住宅性能の維持と管理が大切であることもお忘れなく。

中山 登志朗(なかやま としあき)

株式会社LIFULL
LIFULL HOME'S総合研究所
副所長 チーフアナリスト

出版社を経て1998年よりシンクタンクにて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間数多くの不動産市況セミナーで講演。
2014年9月にHOME'S総研(現:LIFULL HOME'S総研)副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。

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